こんにちは😊
訪問看護師のまよっきです!
前回の記事では「片付け」が健康資産に繋がるというお話をさせていただきました。
今回は「実際に要介護状態になったとき、どんな環境が最適なのか?」についてお話しします。
環境整備は看護の基本
療養生活を送る上での環境を整えることを「環境整備」と言います。
これは、看護学校でも最初に学ぶ基本中の基本。
19世紀に医療改革を行ったイギリスの看護師・フローレンス・ナイチンゲールは、環境整備の目的を次のように述べています。
「健康を維持・回復するため」
「生命力の消耗を最小限に抑える」
つまり、環境は“生きること”に直結しているのです。
在宅介護で大切な2つの視点
私が考える「在宅介護に適した環境」のポイントは、この2つです
① 要介護者の安全の確保
これは何よりも大切なこと。
安全でないと、要介護者は安心して暮らすことができません。
② 援助者の介護のしやすさ
在宅介護は24時間365日。
介護を担うご家族や支援者の心身の負担を軽減する工夫が必要です。
そのために特に意識したいのが、
📍動線をスムーズにすること
📍要介護者の自立をサポートすること です。
まよっき流「介護に適した部屋レイアウト」
ここからは、私が現場でオススメしたいお部屋のレイアウトについて紹介します📐
(図解付きのブログ画像もぜひ参考にしてください♪)

① テレビの配置:ベッドの足元正面がベスト
テレビはベッドをギャッジアップして正面から見える位置が理想です。
首を横に向けて見続けると痛みが出る方も多いので、ベッドの足元正面に置くことで無理なく視聴できます。
② 介護用物品の収納はワゴンで
オムツ・おしりふきなどの消耗品は、キャスター付きワゴンに収納するのが便利!
引き出しや袋にしまうより在庫も把握しやすく、必要なときにスッと移動できます。
右利きの方が多いため、ベッドの右側に置くと作業がスムーズです。
③ サイドテーブルで水分補給をサポート
ベッド横にはサイドテーブルを。
その人に合ったコップや“楽のみ”を置いておくことで、いつでも自分で水分補給ができる環境になります。
④ 介護用ベッドは“動けるスペース”が大事
介護用ベッドは高さ調整・ギャッジアップ機能・マットレスの選択が重要です。
そして配置としては、できるだけ部屋の中央に。
頭側にもスペースがあれば、どこからでもケアがしやすく、援助者の負担も軽減されます。
状況に応じて、柵の本数やベッドの位置も柔軟に対応していきましょう。
⑤ タンスは“ミニマム+お気に入り”で心豊かに
衣類や寝具は必要最小限+お気に入りのものを数点。
圧迫感の少ない低いタンスを選び、その上には思い出の写真や植物などを飾るのがオススメです🌿
外出が減っても、好きなものに囲まれて過ごすことは、孤独感の軽減や会話のきっかけにもつながります。
お部屋には人生が詰まっている
写真や趣味のものには、その人の人生が映っています。
お部屋を見ていると「どんな人生を歩んできたのかな?」とお話を聞きたくなります。
その時間が、私たち支援者にとってもかけがえのないものになるのです。
利用者さんの笑顔にふれ、自分の老後の暮らしを考えたりして…
なんだか、将来が楽しみになるんです🥰
おわりに:環境は人それぞれ。正解は一つじゃない
今回ご紹介したのは、あくまで“まよっき流”の一例です。
ご自宅の広さやご本人の状態によって、最適な環境は異なります。
その人らしさや介護する方の負担軽減を大切に、
一緒に“暮らしやすい環境”を考えていけたら嬉しいです。